130年ほど前の撮影状況って、こんなふうだったんだっていう場面を見た。ヤフー動画で視聴出来る「世界名作劇場(1話集)」の中のペリーヌ物語でのシーンである。
この物語は、ナレーションでは、今からおよそ100年前って言っていたけど、放映されてから30年ほど経過していると思われるので、実際には130年ほど前の物語である。ストーリーは、父親が亡くなったばかりのところから始まり、母親と娘が、フランスで紡績工場を経営する祖父の元を目指して旅をしていくという設定であるが、この一家の職業は、行商の写真師なのである。
写真に関する時代考証をどこまでやっているのかは分からないけど、「おおっ」と思うシーンがあった。まずは、使用機材であるが、これは当然のことながら、木製暗箱であった。僕のタチハラとほとんど同じ形をしている。撮影する際に、ピントを合わせた後に、木製のフィルムホルダーを刺し込んでいた。ガラス乾板かなあ。その後、レンズの前に、木製のフタみたいなものを被せたので、これは何だろうと思っていたら、なんと、これがシャッターだったのである。レリーズを押すと、レンズ全部の木製のフタがぱかっと開くのである。撮影するのに、10秒くらいかかっていたので、おそろしく感度が低いフィルム(!?)である。当時は、これが普通なんだろうけど。絞りなんていう機構は、ないんだろうなあ。おそらく。
それから、暗室であるが、荷馬車の中を暗室として使用しているのだが、遮光性は著しく低そうだ。超低感度なので、これでもいいんだろうなあ。それから、薬液を満たしたバットが二つしかなかったので、現像液と定着液で、停止はしてないみたいだ。まさか、アルカリ定着液ではあるまい。そして、おそらく密着プリントオンリーであると思われる。定着後は、荷馬車に搭載している樽の中に大量の水が入っているみたいで、ちゃんと印画紙を水洗していた。
しかし、シャッターがレンズの前にあるっていうのは、ある意味衝撃だったなあ。
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