フィルム現像の最近のブログ記事

 シートフィルムの現像は、ハンガーによる現像を試していたけどムラに悩まされたのと、暗闇で作業しなくてはならないのが苦痛で 諦めた。シートフィルムは、1枚ずつ現像を調整出来るのが利点なので一度に多くの枚数を処理することはない。そのため、タンク現像で2枚ずつ現像できれば良いと考え、現状ではこの方法で現像している。

 需要がありそうなので、記録しておくことにする。


20140322a.jpg用意するもの。

・現像タンク(35mm 4本用)
・撮影済みフィルム(これは当然だな。)
・輪ゴム4個
・プラダンを適当な大きさに切ったもの。

※プラダンはホームセンターで売ってます。何色でもいいと思うけど、黒がれば精神衛生上、その方がいいかも。

20140322b.jpg
※作業は、当然のごとく、暗室もしくはダークバッグ内で行う。

 フィルムの乳剤面を内側にして、左の画像のようにプラダンでフィルムを包み、輪ゴムで固定する。
 何でこうするのかというと、タンク内でフィルムが動かないようにするためだ。タンク内でフィルムが動くと、傷が付いたりフィルム同士がくっついたりして失敗の元になるからだ。乳剤面を内側にするのは、外側にすると輪ゴムやプラダンと接触するのを避けるためである。

20140322c.jpg
 上記の画像の状態にしたものを背中合わせにしてタンクに放り込む。

 現像工程は、通常のロールフィルムと同じで倒立攪拌で行う。
 定着は、1分間ほど定着したら、タンクからフィルムを取り出して、トレイ(バット)で定着処理を行う。なぜなら、輪ゴムの跡が残ってしまうのを防ぐため。

 この方法の利点は、皿現像のように連続攪拌ではなく、攪拌量の調整が出来る。つまり、先鋭度を高めることが出来る。1分毎の攪拌にするのか30秒毎の攪拌にするのかは、ムラの発生状況により調整する。
 短所は、一度に2枚しか現像できないことなんだけど、それは、一回目の現像の調子を見て二回目の現像量を決めることも出来るという利点とトレードオフであると考えればいい。
 いずれにしても、今の僕にはこれが最良の方法だと思っている。
20140125.jpg

 トラディショナルタイプのフィルムの現像は、シュテックラー氏二浴式現像液を愛用している。HP5+の現像時間を決定したくて、グレーカードを-5EVから+5EVまで撮影した。当たらずとも遠からずの現像時間は分かっているので、とりあえず20度A液6分、B液6分で現像してみる。フィルム乾燥後、暗室でプリントしてみると、シャドー部の記録はばっちりだが、ハイライトがとびぎみだ。つまり、露光は足りているが現像量が多過ぎる状態ということになる。それなら、A液を1割ほど短縮しよう。A液5分15秒、B液6分で今後現像することにする。これだと、プレストと同じ条件になる。

ベタ焼き

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20140113.jpg

 久しぶりに暗室に入った。ある程度プリントしてみたいと思うようなネガが溜まらないと暗室作業をする気にはなれないのだ。まずは35mmのベタ焼きを作成するところから開始する。実は、ベタ焼きを作るのは、やめようとずっと思っていた。昨年の2月に祖母が亡くなり、遺顔を撮影した。ネガ現像はしたけど、ベタ焼きとはいえ、さすがにネガではなく正像で見るだけの精神的な余裕がなかったのだ。印画紙の価格も上がったことだし、一度はやめようと思った。2013年は、まったくと言っていいほど暗室に入らなかったのは、その数カットの写真に触れることを避けていた節もある。2013年はとにかく写真を撮らなかった。35mmは6本しか撮影していない。

 それでもベタ焼きを継続して作ろうと思い直したのは、過去のベタ焼きを見たときに、息子を撮影した成長記録とも言えるカットが散見されたからだ。フィルムが余った時は、撮るものがないので息子を撮るようにしている。ベタ焼きは無機質なインデックスプリントではなく、小さな写真の集合体であることを発見した。今まで数百本、ベタ焼きを作り続けた。これからも35mmに関してはベタ焼きを作り続けていこう。例え1本のうち全カットが駄作のフィルムであったとしても。

 シートやブローニーはフィルム面積が大きく視認性に優れているので、元々、ベタ焼きは作っていない。でも、35mmはベタ焼きを作っておかないと、一枚一枚の写真が埋没してしまうのだ。

 ベタ焼きを作ることの効用は他にもある。撮影時の露出やネガ現像が安定していれば、フィルムや印画紙を変えない限りは、引き伸ばしレンズのF値と露光時間をメモしておけば、ベタ焼きを作るのに試し焼きは必要ない。これはストレートプリントを作る時でも同じなのだが。ところが今回はいつもより2割ほど多めの露光時間が必要だった。撮影時の露光で失敗しているのなら、撮影カットごとにバラつきがあるはず。でも、そうではなく全カットが同じ濃度になっている。露出計のEI設定は間違いなかったはずだ。それならネガ現像を押し過ぎたのが原因だ。次回は、もう少し浅めの現像を心がけよう。

20140111.jpg

 昨夜のうちに溶いておいたシュテックラー氏二浴式現像液とマイクロフェンタイプ(改)を使って溜まっていた未現像フィルムを現像した。

・HP5+(EI1600) マイクロフェンタイプ(改) 20度 12分

 これ、前回はうまくいったのになぜだか今回はうまくいかず、薄すぎるネガしか出来なかった。前回はニューFM2を使用し今回はM6TTLで撮影したフィルムだけど、まさかそれが原因だとは思えない。本気でこの組み合わせで使うなら、テストが必要だ。でも、増感現像ってあまりしないんだよな。EI800くらいで撮影すれば良い感じになりそうだけど、それだったら撮影スピードが不足するので、現像を強めにするしかなさそうだ。これ以上現像時間が長くなると精神的にきつくなるので、24度で処理するといいかもしれない。これは今後の課題ということで。マイクロフェンタイプは、使用する薬剤の種類が多いので、調合が面倒なので、あまり失敗はしたくはないなあ。


・400TX135(EI200) シュテックラー氏二浴式 20度 A液 4.5分  B液 6分

 この組み合わせは僕にとっては王道だ。今回も問題のないネガが出来上がった。


・アクロス120(EI50) シュテックラー氏二浴式24度 A液 4分  B液  4分

 薄いネガになった。ベルエアで撮影したフィルムなので、元々期待してなかったしどうでもいいなあという感じだ。時間だけ無駄にしたかな。シュテックラー氏二浴式現像液は原液の使いまわしなので、最後のセッションは現像液が疲労しているだろうから現像はもう少し強めにした方が良かったのだろう。


・アクロス4×5(EI50) シュテックラー氏二浴式22度 A液 5分  B液  5分

 これもうまくいった。使い慣れた組み合わせなので、当然と言えば当然。


 雑誌の記事を読んだのか、ラジオで聴いたのか忘れてしまったけど、最近亡くなった大瀧詠一さんがこんなことを言っておられたのを思い出した。

「街角で僕の音楽が流れていたときに、どこの誰の曲か分からないけどいい曲だなって思ってもらえたらそれでいい。」

そんなような内容だったと思う。でも、大瀧さんの音楽は独特なので、すぐに大瀧さんの曲だと分かってしまうのだけど(笑)。僕の写真もそんな感じでいいと思っている。



 

 このアルバムに出会ったのは、30年近く前だったような気がする。たまに取り出して何度も思い出したように聴いている。特に「1969年のドラッグレース」「ペパーミントブルー」は秀逸だ。



TMX、TMY、Lady Grey

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20131201.jpg

 ブローニーの未現像フィルムが3本溜まったので現像した。TMYをマイクロドールタイプ(現液)で、TMXをMC現像液で、Lady GreyをD-23(1:1)で、処理した。

TMY(EI200) マイクロドールタイプ現役 20度 11分
TMX(EI50) MC現像液 20度 10分
Lady Grey D-23(1:1) 9分

 このロモグラフィーのLady Greyは、ベルエアゴンを購入した時に付属してきたものだけど、赤窓のカメラで使うにはきついんじゃないのかな。遮光紙に印刷してある文字や模様が、フィルムに映りこんでしまっている。最初と最後の巻き止めもコダックやフジのように使いやすくないし。それに、ベースの色が濃すぎる。被ってるのかな。もらったフィルムだから文句は言わんけど。だけど、こういうフィルムやベルエアでちゃんとした写真が撮れる人は、普通のカメラなんて難なく使いこなせると思う。ベルエアはそんな楽しみに満ち溢れている。  


夏の木陰

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LEICA M6TTL  SUMMICRON 35mmASPH. 400TX(EI200) Kentmere VC select


 ネガの濃度が増す要因として、現像過多と露光過多がある。前者はコントラストが上がり、後者は下がる。その他に、経験則ではあるが、ネガ濃度が増すと、プリントのシャープネスが損なわれ、粒状性も悪くなるような気がする。

 この季節、現像液の液温上昇には気を使わなければならない。それから、僕だけなのかもしれないが、像が出ないと不安なので、保険をかけたつもりで少し現像時間を長めにしたり、露出を多めにかけてしまったりすることがある。でも、それは全然保険になっていなくって、むしろネガの状態が悪化するのである。適正な露光と現像時間で処理されたネガは、例えそれが35mmのフィルムであっても、10×12(四つ切)程度に引き伸ばすのであれば、満足のいく像が得られると思う。もちろん、中判や大判には負けるけどね。それは、仕方がない。

 この手の写真は、デジカメの方が、間違いなく撮りやすいんだよな。鳥を止めるシャッタースピードや鳥の位置もその場で確認出来るし、撮り直しも出来るのだから。
 先週、テスト撮影したネガをプリントしてみた。

メトール       0.15g
アスコルビン酸   0.6g
炭酸ソーダ(1水塩) 15g
ミンティア      15粒
総量を1.5Lとする。

アクロス(EI50)   1枚目 24度10分30秒   2枚目  23度 13分 

最初の30秒連続攪拌。1分につき4回の攪拌。


 やはり、2枚目の現像時間が適切である。しかし、もう少しコントラストが欲しいので、やはりメトールを0.2g、アスコルビン酸を1.0gに増量した方が良さそうだ。現像時間は24度11分30秒を目安にやってみよう。


 テストネガは、曇り空を撮影してみたが、現像ムラが発生した。やはり、コントラスのない広いものを撮影するとムラが目立だって仕方がない。これは、どんな現像液でどんな方法で行っても、ムラは避けられないのかもしれない。例えば、グレーカードを撮影して現像すると35mmでも現像ムラlが発生することがある。そもそも、通常の撮影状況では、コントラストがまったくないものを撮影するなんてことはないので、ムラは発生しない。もしくは目立つことはない。攪拌方法も、ムラ低減のために30秒につき2回の攪拌に変更しよう。


20120122.jpg

 天候の都合や、胃腸風邪をひいてしまったこともあり、しばらく写真活動が出来なかった。近所で適当な風景をアクロスで同じカットを2枚撮影した。ムラの発生状況を確認するために、空の面積を広く写してみた。

 4×5の現像なので、エッジ効果強めの処方を用いる。

メトール       0.15g
アスコルビン酸   0.6g
炭酸ソーダ(1水塩) 15g
ミンティア      15粒
総量を1.5Lとする。

アクロス(EI50)   1枚目 24度10分30秒   2枚目  23度 13分 

最初の30秒連続攪拌。1分につき4回の攪拌。


空のムラは、厳密にはプリントしてみないと何とも言えない。ネガ濃度は、2枚目の方が適切なような気がする。
通常の現像液に比較して、現像液が青くなるのは、亜硫酸ナトリウムを用いない処方だからなのか?

薬品が微量過ぎるので経済的ではあるけど、計量するのにかなり気を使う。

ネガの状態によっては、メトールを0.2gに、アスコルビン酸を1.0gに変更した方がいいかもしれない。



 20120109.jpg

 テストネガは、35mmフィルムを使い、少し処方を変えてみたが、キャビネでプリントしたみた結果、35mmの像でもエッジ効果が強すぎて困るような状態ではなかったので、35mmでも4×5でも、この処方でいいような気がする。

メトール       0.1g
アスコルビン酸   0.4g
炭酸ソーダ(1水塩) 10g
ミンティア      10粒
総量を1Lとする。

アクロス(EI50)   20度15分 
T-MAX100(EI50) 20度13分

最初の30秒連続攪拌。1分につき4回の攪拌。


 アクロスを20度15分というのは、少しだけ苦痛になる現像時間なので、24度10分30秒で次回は試してみようかと思っている。それにしても、問題なのは、計量重量が微細なので、軽量方法を天秤からスプーンに変更した方が良さそうだ。適したスプーンを探さないといけない。そのうち、4×5で、ムラが発生しやすい青空が多いような風景をテスト撮影し、この処方で現像してみようと思っている。

 ケントメアのPAN400も試してみたけど、現像不足のため眠いネガになってしまった。このフィルムはかなりしつこく現像しないとだめみたい。次回は24度で10分の条件で現像してみよう。それにしても、何でこのフィルムは強い現像が必要な設計にしたのだろうか。僕にとっては使いづらいフィルムだ。価格はすごく魅力的なんだけど。


 ミンティアは1箱で50粒入りだけど、食べながら現像してしまうので、意外に早くなくなってしまう。他の薬品は、かなり長持ちしそう。


エクスチェンジの写真。。。。。
進んでないや。。。。


ミントール現像液

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20110102.jpg

 撮影途中で3枚ほど残ったフィルムがあったので、静物写真を撮った。撮影している時に玄関のチャイムが鳴り、通販で注文しておいたT-max100が届いた。これで、染色現像液のミントール現像液を試してみたかったからだ。開発者のIsonoさんに、アドバイスいただき次の条件で現像してみた。


処方 

ミンティア(コンビニで入手したお菓子) 5粒
メトール 0.1g
アスコルビン酸 0.5g
炭酸ナトリウム (一水塩)  3g

溶解後600ccとし、溶解後、すぐに使用する。


おっ。久しぶりに、暗室系のブログになってきたな(笑)

T-max100(EI50)でグレーカートを11EV分撮影し、20度で11分現像する。

 まだプリントはしていないけど乾燥中のネガを見た限りでは、シャドー部は概ね良さそうなので、ハイライト部をプリントの状態を見つつ、現像時間の調整を行いたいと思っている。

 それにしてもこの現像液、驚くべきことがいろいろある。まずは、溶解後すぐに使用し使い捨てにするということである。僕のように、自宅から離れた場所に暗室がある場合、前日に現像液を溶解しなくても良いというのは便利だ。保存が効かないということであろうが、どうせすぐに使うので問題はない。それに、使い捨てというのは、毎回、新液を使うということなので、繰り返し精度が高いということになる。

 それから、現像コストがおそろしく安い。こんなに現像主薬の量が少なくってもちゃんと現像出来るのだ。600ccの現像液で、正確に計算していないけど30円くらいではないのだろうか。

 しばらく、この現像液に付き合ってみようと思っている。


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