暗室の最近のブログ記事

近況

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  すっかりこのブログを書くのが面倒くさくなってしまった。その間、写真活動をしていないというわけではない。細々とスローなペースで撮影に出かけたり暗室に入ったりしている。

 最近の変化だが、Belair-X 6-12 は、一昨日、ハードオフで売り払った。これは、ちゃんとした写真が撮れるカメラではなかった。まあ、もともとそれを期待するようなカメラではないのだが。しかしまあ、短期間ながら、あれこれと試行錯誤をして遊ぶことが出来たので良しとしよう。ここで、無駄な時間と出費を悔いても仕方がない。そもそも僕は、何事にもおいても後悔というものをしたことがない。それがいいことなのかどうかは分からないけど。

 今、気になるカメラと言えば、フォクトレンダーのペルケオ2かなあ。先日、名古屋の松坂屋で開催されたときに、ショーケースの中にあったのを見かけて、後日、そのカメラ屋へ電話したけど、既に売れてしまっていた。今回は縁がなかったということなのだろう。ピント目測とはいえ、あのサイズで持ち運びが出来るのは得難い。しかし、大きな露出計を持ち歩くと、ペルケオの利点がスポイルされるので、露出計アプリを使うのがいいのであろう。いつか縁があれば、使ってみたい。

 あ。そうそう。半年くらい前に、トヨのロールフィルムホルダーの巻き上げ部分が壊れたので、修理した。フィルムカメラ関連の機材は新商品が発売されるということはないので、手持ちの機材を修理しながら大事に使っていかなくてはならない。


 さて、ここからが記録に残しておくべき本題である。

 とうとう、最後の牙城であったアクロスが近い将来、入手不能になってしまうようだ。販売量が減っているのであれば、値上げして販売を継続してくれてもいいような気がする。と、思えるほどにアクロスは他メーカーのフィルムと比較しても高くはない。それに、アクロスの相反則不軌特性は、代替が効かない。1秒以上の露光時間を多用する僕にはありがたい存在のフィルムであった。


 と、ここで、行動は2パターンに別れると思う。今のうちに、アクロスを大量購入して備蓄するか、他のフィルムに乗り換えるかだ。僕はこういう場合は迷わず後者の行動パターンを選択する。そんなに撮影量が多いほうではないが、フィルムは安価な方がいい。アクロスと同等の相反則不軌特性を有するフィルムはないので、ある意味選び放題だ。ただし、フィルム特性が僕の好みとマッチしなくては意味がないので、その点は重視する。

 アメリカのFreestyleの、 ARISTA EDU ULTRA を使うことにした。これ、FOMAのOEMということらしい。生産国の表示やデータシートの現像時間がが同じなので、間違いないのだろう。それならOEMで充分である。

<135,4×5>ARISTA EDU ULTRA ISO200(EI100)

<120>ARISTA EDU ULTRA ISO400(EI200)

 現像液は、すべていつもの「シュテックラー氏二浴式現像液」を使用する予定。


 残る問題がある。

 フジは、写真薬品については生産終了するとは言っていないが、早晩、そうなることは想像に難くない。


パピトール → D-72の自家調合に代替

酢酸    → 今のうちに買いだめしておく。その後は他銘柄に切り替え、若しくは、酢酸不要のアルカリ定着液の自家調合。

ドライウェル→ 今のうちに2Lを買っておけば一生分ありそう。

QW → ちょっとだけ困る。他銘柄を買うか、自家調合を検討する。


 最終的には、自家調合になりそうだ。そんなわけで、NNCさんには、頑張って欲しい。フィルムの時には、買いだめはしないと書いたけど、ここでは違うことを書いているけど、まあ、そんなものだ。

 NHK文化センターの講座で暗室教室が開講されているようだが、これから新規でフィルム写真、そして暗室作業を開始してみようという人には、年々、環境が悪化している。趣味でやる分には、どこかの国のどこかのメーカーが、価格がいくらであっても生産してくれていればそれでいい。というわけにはいかない。出来るだけ、入手しやすい手段と価格が維持されることを願うばかりである。この記事を書いている時点では、まだ大丈夫。

 

 tokyo-photo.net、早く、管理人さん写真活動再開しないかなあ。僕のモチベーションには、かなり影響力があるんだけど。モチベーションほど大事なものはない。結局、最後はそれ。






2016の活動

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 2016年のこのブログの更新は1月と12月。いかに活動が停滞しているかが露呈してしまっている。それでも、暗室は今年は4回くらいはやったかな。
夏に北京へ行って、35mmを7本撮影したいいんだけど、フィルムの切れ端が、パトローネ室のシャッター幕に挟まっていたようで、画面左4分の1に黒い影が写り込んでいる。かなり致命的である。こんなことは今まで経験したことがなかったので、フィルム装填の度に確認することはしなかった。
 そんなわけで、左側をトリミングした状態で絵作りしなくてはならない。しかし、トリイングして構図的に成立しているということは、撮影時の構図が完璧ではなかったとも言える。

 夏の終わりに、市の美術展に出品するために、数年ぶりに全紙でプリントした。印画紙の価格が高いので、かなりびびってしまう。LPLのサイトを見るとまだ暗室用品が商品ラインにあるので、安心した。

 久しぶりに引き伸ばし機を操作したらピント調整が固くなっている気がする。まあ、LPLが健在なら、まだメンテナンスは大丈夫だろう。まだ当分はこの趣味も楽しめそうだ。

 
20151114.jpg

 近いうちにプリントをしようと思い、その準備で印画紙現像液を注文した。あまりにも久々だったので、パッケージ品を買うか自家調合でD-72処方で済ませようか少しだけ悩んだけど、フジの「パピトール」(8リットル)が、まだ商品として健在だったので、これにした。8リットルと言っても保存液は4リットルなので、これを8本の500ccペットボトルに保存しておいて、暗室1セッションで1本ずつ使っていく。つまり暗室8回分の量である。フィルム関連の感材や薬剤は、値上がる一方だが、この商品は500円程度で販売してくれているのでありがたい。

調色せず

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20140215.jpg

 昨日降った雪があちこちに残っているせいで空気が冷たい。風も強くて撮影には向かない日だ。午後から4時間ほど暗室にこもった。

 左側の写真は苦労した。全体を00号と5号で露光した後、左側の水面を焼きこむ。引き伸ばしレンズの絞りを一つ開けてさらに空全体を焼きこむ。空の右上部をさらに焼きこみ完成。

 右側の写真は、全体を00号と5号で露光した後、空全体を焼きこむ。最後に左中央の雲を焼きこみ完成。定着、水洗後に、赤血塩でハイライトをブリーチする。

 いつもならここからさらに、多硫化調色をしているが、今回はこのままの方がイメージに合っているので、画像保護のためにAgガードを塗布するに留めた。今後は、何でもかんでも調色するのはやめにしよう。白と黒の表現が美しい場合もあるのだ。
20140201.jpg
 先月、琵琶湖で撮影したシートフィルム(4×5)をケントメアのRC印画紙(8×10)にプリントしてみた。いつものごとく焼きこみや覆い焼き、グレードを変更したりして、試行錯誤して10枚ほどプリントして完成らしきものにたどり着いた。印画紙を切断した小片で何度も試し焼きや段階露光をして、適正な露光時間とグレードを選定するのだが、最終的には全体のバランスが物を言うので、8×10でプリントする必要がある。次回はバライタで仕上げてみよう。

20140126.jpg
 印画紙の中では新商品であるオリエンタル イーグル VCRP-R を試しに買ってみた。RC印画紙はケントメアの次は何を使おうか迷っていた。フジでも良かったのだが、使ったことがないイーグルのRCを試してみることにした。価格はフジと同じだ。フジはベースが薄いのに対してイーグルは普通程度の厚さだ。おまけに意外なことにこの印画紙は多硫化調色との相性もばっちりだった。既に生産中止になってしまったが、オリエンタルのVC-RP2は多硫化調色にはまったくと言っていいほど反応しなかった。もしかしたら、イーグルのバライタも多硫化調色との相性がいいのかもしれない。これは試してみないと分からないけど。

 この画像は、全体を00号で4秒、5号で3秒、その後、空のみを2号で4秒間焼きこみしたプリントである。これではイマイチなので、ここからどうするかを考えないといけないわけだ。手前の人物は、かろうじてシャドーディテールは再現されているので、このままでいい。背景のビル群はもう少し薄くした方がいい。絵画で言うところの空気遠近法的な表現だ。露光を少なくしてビル群を薄くするか、ブリーチで薄くするかは考えどころなんだけど、組み合わせた方がいいような気がする。空ももっと白い方がいいだろう。ビル群よりも少し薄いくらいでいいのだ。今度はバライタでプリントしてみよう。


 

TMX、TMY、Lady Grey

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20131201.jpg

 ブローニーの未現像フィルムが3本溜まったので現像した。TMYをマイクロドールタイプ(現液)で、TMXをMC現像液で、Lady GreyをD-23(1:1)で、処理した。

TMY(EI200) マイクロドールタイプ現役 20度 11分
TMX(EI50) MC現像液 20度 10分
Lady Grey D-23(1:1) 9分

 このロモグラフィーのLady Greyは、ベルエアゴンを購入した時に付属してきたものだけど、赤窓のカメラで使うにはきついんじゃないのかな。遮光紙に印刷してある文字や模様が、フィルムに映りこんでしまっている。最初と最後の巻き止めもコダックやフジのように使いやすくないし。それに、ベースの色が濃すぎる。被ってるのかな。もらったフィルムだから文句は言わんけど。だけど、こういうフィルムやベルエアでちゃんとした写真が撮れる人は、普通のカメラなんて難なく使いこなせると思う。ベルエアはそんな楽しみに満ち溢れている。  


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タチハラフィルスタンド45Ⅱ スーパーアンギュロン75mm アクロス(4×5・EI50)
 MC現像液 LPLV7454 ケントメアファインプリントVC パピトール 多硫化セレン調色

 

 広角レンズを活躍させる場面にはなかなか出会わない。広大な風景や物体を写し込みたい時や遠近感を強調したい時に活躍するレンズだと思うけど、なかなかそういった被写体にはめぐり合わないのだ。

 

 絵画で空気遠近法という技法がある。近くのものははっきりと、遠くのものは白っぽく描くことで、遠近感を表現するものだが、これは写真にも応用が出来ると思う。そもそも普通に撮影すれば、写真の場合は空気遠近法的に写るのだが、近い部分を焼き込むようにしてやれば、遠近感が強調されるのだ。広角レンズの強い遠近感をより強調する事が出来るので、場合によっては有効な手法だと思う。

  

ベトナムの写真

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20121006.jpg

 ベトナムで撮影した写真の中から、バライタでプリントするものを絞り込んだので作業を始めている。グレードを組み合わせたり、焼きこみをしたりして出来るだけ自然に、それでいて見ていて気持ちの良いトーンに仕上げるのは、なかなか大変だ。久しぶりに、多硫化調色液を作り直した。
20120908.jpg
ローライコードⅣ TMX ミントール現像液 ケントメアVCセレクト


 ストレートプリントだけど、これだけ写れば充分満足だ。ミントール現像液も、安定して使えるようになってきた。ミンティアを使うよりも、メントールの試薬を使う方が安上がりなので、近いうちに切り替えよう。

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