菱の平原と竹生島

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タチハラフィルスタンド45Ⅱ Mニッコール300mm アクロス(4×5・EI50) MC現像液
LPLV7454 ケントメアファインプリントVC パピトール 赤血塩ブリーチ 多硫化セレン調色





 かなり久しぶりに、苦労したうえにちゃんとした作品を作りました。今回は、このプリントの作り方を書いてみます。







20121103a.jpg
 タチハラフィルスタンド45Ⅱ Mニッコール300mm アクロス(4×5・EI50) MC現像液
LPLV7454 ケントメアVCセレクト パピトール 


 まず、ストレートプリントはこれです。ネガのポテンシャルを把握するために00号でプリントします。これを見て、どのようにするか試行錯誤していくわけですが、何枚かのワークプリントを作ったうえで、最終的なメソッドを決定しました。






 引き伸ばしレンズはELニッコール150mmF5.6、露光時の絞りはF16です。

1.No2、で全体を10秒間露光する。
  これは基本的な露光です。

2.No5で、全体を4秒間露光する。
  これはスプリットグレードプリント法で、シャドー部を引き締めます。

3.No5で、上下を4秒間露光する。
  これも、2番目と同じ理由の露光ですが、中央部は明るく表現したいので、覆い焼きします。

4.No2で、下3分の1を25秒間露光する
  ハイライト部の水平線になだらかに諧調が続くように焼きこみます。

5.No5で、空を70秒間露光する。
  No5を使用するのは、雲を空のコントラストを強くしたいためです。

6.その後、定着、水洗。

 ここまでが、通常の暗室作業です。

 この写真で最も目がいくであろう竹生島のあたりのトーンをもう少し何とかしたいです。そんなわけで、空と竹生島の諧調分離を図るため、赤血塩を使って、漂白します。この作業が一番大変です。ここで失敗したら、また現像、定着、水洗をしなくてはなりません。
 
 その後、定着、水洗、多硫化カリウム+セレニウムで調色、水洗で、完了です。

 

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コメント(8)

こんばんわ♪

ステキな写真みしていただきましてありがとうございます

同じカメラ持っているので(旧型ですが)
イイ写真撮らないと と 刺激されます 

グッときました!

ありがとうございます。4×5って、現像ムラとかいろいろ大変なことがあってうまく出来ないのですが、何とか完成させました。

勉強になりました。

やっさん。意図的にあり得ないトーンを作り出す方法、機会があればお試しください。

ぜひとも、プリントの実物を見たい!!!

hayhayさんのHDRみたいなプリントにはかないません(^_^;)

 いやあ、凄いですね。
プリント術の奥義でも見ている感じです。

 今年中になんとかプリントはじめますが、納得いく作品作りをするのは相当大変そうですね。
 
 楽しみです。がうっかりキャノンのF-1だけでなくついついモードラなんかにも手を出したり、例のロモのパノラマを予約したりと、結局次の給料が入り次第、残りの必要品を一気に買い集め、プリント開始となりそうです。

暗室は奥が深いですね。どのようにしたらいいのか決めるのが大変です。決めたらそのようにプリントするだけなのですが。

F-1、モータードライブですか。この時代のロマンですね。一眼レフにモードラ、明るい望遠レンズを装着して連射するのが、格好いい時代でしたね。あの頃の思いが蘇りますね。

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このページは、うたろうが2012年11月 3日 14:52に書いたブログ記事です。

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