図書館で、アンセルアダムスの「The Print」の日本語翻訳版を借りた。市町合併前の人口が5000人を下回る小さな町の小さな公営図書館に、何でこんな蔵書があるのだろうか?この5000人の中に、暗室関連の本を求めていた人がいたのだろうか?
それはさておき、まだ途中までしか読んでいないけど、この本はなかなか興味深い。単なるプリント作業の手引書というよりは、アンセルアダムスの作品が出来た裏側を見ることが出来るのである。
「The Negative」 「The Print」 「The Camera」
このアンセルアダムスの3冊は、英語版では販売されているけど、日本語翻訳版は絶版になっているので、図書館に頼んで買ってもらうというわけにはいかない。安く買える機会があったら、古本で買おうかと思って、アマゾンを見たら、かなり高い値が付いている。もうちょっと、悩んでみよう。
アンセルアダムスとブレッソンは、同時代に生きた写真家だが、ブレッソンはアンセルアダムスに対して批判的な意見を言っていたみたいだ。
「こんな戦時下において、風景写真なんか撮って!」
等といったふうにである。僕は、この二人はわりと好きな写真家なので、どちらの肩を持つとかってわけではないけど、それは、この二人が置かれた状況に差があるからではないだろうか?ブレッソンは戦場になった、ヨーロッパで、ナチの収容所に入れられ、脱走をしているという過去を持つので、戦場が身近な場所にあったわけだが、アンセルアダムスは、アメリカにいたので、アメリカ本国が戦場になったわけではないし、彼の作風から鑑みても、風景写真を中心を活動していたのだろう。もっとも、アンセルアダムスの撮影対象全てが風景写真であったわけではないのだが。
ブレッソンは、自分で暗室作業をしていなかった。あくまでも、撮影者であるが、アンセルアダムスは、撮影からプリントまで、一貫して自身の手で制作している。そう言えば、アンセルアダムスのプリントに、サインが入るのは分かるけど、ブレッソンのプリントって自分でやったわけではないのに、ちゃんとブレッソンのサインがあったりするけど、これも、それぞれってことなんだろうなあ。
コメントする