2012年12月アーカイブ
折に触れて静物写真を撮っている。ユリの花があったので、プーケットで買い求めたスズの一輪挿しと、庭で唯一収穫したプッチニー(カボチャ)を撮影してみた。
使用レンズは、フジノンW150mm、普段は絞り込んで使うことが多いのだけど、F8近辺で撮影してみた。
どうもフレーミングがうまくいかない。ファインダー像と実写像がずれて写るのだ。その原因を解明しようと思う。僕が間違ってファインダーを覗きこんでいる可能性もあるので、正位置を確認するのが肝要だ。どのようにずれているのかと言うと、意図した構図で撮影すると、下部が過剰に写り込む。どのくらいずれているのか見てみたいと思う。
まずは、裏ブタを外して、フィルム位置に薬包紙を張る。紙は、像を見るだけなので薄い紙なら何でもいいのだ。
次に、シャッターをバルブで固定する。ベルエアはレリーズ穴がないので、テープでシャッターレバーを固定して強制的にシャッターを開く。そしてピントを合わせる。大判カメラ用の冠布を被ってカメラ周りを暗くして投影像を確認する。
やはり予想通り、ファインダー像よりも下部が多く写り過ぎている。でもこれって、ずれているというよりは、蛇腹を縮めた状態でフレーミングしたとおりに写るといった方がいいのかもしれない。蛇腹を伸ばすと前枠がファインダー視野に入り込んでくるのが原因だと思われる。
この辺りには、留意して試写を続けてみよう。
作業している時、90ミリレンズの前玉を爪でガリッと傷つけてしまった。写りには影響ないレベルだと思うけど、ちょこっとショック。でも、90mmはガラス玉を注文してあるので、まあよしとしよう。
僕が、いつも聴いているポッドキャストの「さばラジオ」で、写真の話題があった。この射導送水という人は、しゃべりの才能に関してはかなりのものだと思う。
早速、6×12で撮影してみる。今日は天気は大荒れで、風がすごく強い。おまけに、風はとても冷たい。フィルターを使うには苦労する。レンズにフィルターを装着するための溝が切ってないので、レンズの前にかざすようにフィルターを持って撮影することになる。そこで注意しなくてはならないのは、このカメラは外部測光なので、露出についても考慮しなくてならない。ISO感度設定ダイヤルで、露出補正してやる必要がある。レリーズは、カメラのフロントスタンダード(前板)の右側にあるレバーを押し下げることで行うのだけど、これがブレるんじゃないかという不安要因がある。
撮影後、早速、ネガ現像してみる。予想していたとおり、歪曲が目立つので、障子等の格子状のものを撮るときは要注意だ。歪みを楽しんで撮るっていうのもありだとは思う。僕は、それはやらないけど。当然のごとく巡光で普通に撮影する分には露出は問題なさそうだ。でも、フィルター使用時の露出に関しては今後の課題だな。そもそも、フィルターを使用して撮影することは考慮されていないと思われる。だって、トイカメラだから。
このカメラの強みは、安いので惜しみなく使えること。マルチフォーマットであること。軽くてコンパクトなので、大き目のポケットに入ってしまうくらいのカメラであるということだ。これならカヤックの上でも使えるかな。今月の終わりに、近江八幡の葦原をこのカメラで撮ってみようと思っている。それまでにもう少し練習をしておこう。
前日の夜、澄み切った東の夜空に満月が浮かんでいるのが見えた。天文台のウェブサイトで調べたら米原での月の入りの時刻は8時30分頃になっている。もしかして、良い位置に月が浮かんでくれるのではないかと思い、さらに詳しく調べてみたが、どうも狙った位置よりもかなり北にしか動かないようだ。しかし、空気が澄んでいるので、遠景がくっきりとした写真が撮れるのを期待して、夜明け前に自宅を出て琵琶湖へ向かった。
ここ数日、冷え込んだせいか、周囲の山の上には雪が積もっている。この場所で岬と沖島を組み合わせて、4枚ほど撮影する。月を見ると、やはり予想通り北西の方角に浮かんでいる。尾上まで行けば、月と水没林を組み合わせた写真が撮れるのではないかと思い、北上し、尾上に到着したが、月は葛篭尾崎の上あたりに位置している。月を撮るのは諦めた。
時刻を見るとまだ8時30分。このまま帰宅するには早すぎる時間だ。もう一仕事出来そうだ。どこへ行き、何を撮ろうか考えた結果、先週、父親から鶏足寺で紅葉を撮影した話を聞いたので、行ってみることにする。白黒フィルムなので、紅葉を撮るには向いていないと思うし、紅葉のベストシーズンは既に終わってしまっている。でもまあ、どんなところか見てみたいと思ったのだ。
駐車場に到着したが、早い時刻のためか、まだ人はまばらだ。石道寺の観音堂を通り過ぎ、奥へ向かう。この石道寺の観音像は興味があるのだが、いつかまた見ることにしよう。
京都の完全に整備された有名な紅葉の観光地とは違う良さがこの鶏足寺にはある。
今年は期を逃してしまったが、紅葉の最盛期に、またいつの年にか来よう。写真を撮るためだけではなく、紅葉を見るために。
デジタル一眼レフで撮影している人も多い。僕もカメラを取り出して、何か撮影したくなった。まだ落葉してない枝を見つけて、テレコンゴー500mmにイエローフィルターを装着し、撮影してみる。あまり期待してないが、フィルターを使うことで、黄色い葉がどれだけトーンセパレーションを得られるのか興味深いところだ。こういう場所で撮影していると、人に話しかけられるのが常だ。今回も、「いつの時代のカメラか」等といういつもの質問を受けたりする。まあ、慣れているけど。
撮影後、集落の方向へ向かって歩くことにする。イノシシが猛烈なスピードで歩く前を駆け抜けて行き、驚いた。集落内には土蔵があったり現役で粉を挽いている水車小屋があったりと、里山感が漂っている。集落を一周して、駐車場まで戻るルートのハイキングコースのような山道に、熊に注意するよう旨の看板が立てかけてあるのを見かける。この時は僕一人だし、周囲には誰もいないし、熊避けの鈴も持ってこなかったし、急に心細くなってきた。一人で叫びながら歩くわけにもいかないし。
そんな道を10分ほど歩き、先ほどの鶏足寺へ到着した。この日はブローニーを1本撮ることが出来なかった。撮影途中のフィルムは、まだロールフィルムホルダーの中だ。
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