シートフィルムを現像すると、乳剤が抜け落ちた極小のスポットが現れる。これは、ロールフィルムでは、ほとんど経験したことがない。そのままプリントすると、印画紙には黒いスポットとして現れる。
スポットが現れる原因としては、現像液中で気泡が付着しているか、フィルムにホコリが付着して、その部分だけ未露光になったか、乳剤に欠陥があるか、といった事であろう。
気泡の取り除きや、ホコリ対策については、今後も努力を継続するとしても、それでも絶対と言っていいほど、この種のスポットは発生してしまうことは確かだと思われる。そんなわけで、スポットが発生した時の対処法が要となる。
実は、今までは、この問題については、あまりにも厄介なので、目をつぶっていた。しかし、どうにもこうにも自分の気持ちの中で割り切れないものがあり、対処法を考えてみた。以前にも、フィルムのベース面に鉛筆でレタッチを施したりしたが、どうもうまくいかず、すぐに断念してしまった。
そこで、次の手法である。シートフィルムをレタッチをすることで、スポットを消すのは、かなり困難な作業であるため、まずは第一段階として、そのスポットを埋めてしまい、印画紙上に、白いスポットが出現させるようにして、その後、印画紙にスポッティングすれば良い。
で、シートフィルムをレタッチするのに、どの素材を使うかということになるのだが、極小の粘土みたいなものがあると最適である。スポットの部分に一時的に、それを貼り付けて、プリント作業すれば良いからだ。しかし、粘土を極小サイズにしてしまうと、すぐに乾燥してしまい粘度がなくなってしまい、フィルムには付着しないのである。
次善の策として、絵の具を針の先に付着させ、それをスポットの部分に置くという手法を思いついた。まだ実践していないけど、これならうまくいきそうだ。うまく白抜きのスポットを作る事が出来たら、習字用の墨と絵の具とアラビアゴムを混ぜて、色調を合わせてスポッティングするだけである。
しかし、何で苦労してるんだろ。ロールフィルムを使えば、こんな事は考えなくってもいいのに。
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