2006年9月アーカイブ

ペリーヌ物語

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 130年ほど前の撮影状況って、こんなふうだったんだっていう場面を見た。ヤフー動画で視聴出来る「世界名作劇場(1話集)」の中のペリーヌ物語でのシーンである。

 この物語は、ナレーションでは、今からおよそ100年前って言っていたけど、放映されてから30年ほど経過していると思われるので、実際には130年ほど前の物語である。ストーリーは、父親が亡くなったばかりのところから始まり、母親と娘が、フランスで紡績工場を経営する祖父の元を目指して旅をしていくという設定であるが、この一家の職業は、行商の写真師なのである。

 写真に関する時代考証をどこまでやっているのかは分からないけど、「おおっ」と思うシーンがあった。まずは、使用機材であるが、これは当然のことながら、木製暗箱であった。僕のタチハラとほとんど同じ形をしている。撮影する際に、ピントを合わせた後に、木製のフィルムホルダーを刺し込んでいた。ガラス乾板かなあ。その後、レンズの前に、木製のフタみたいなものを被せたので、これは何だろうと思っていたら、なんと、これがシャッターだったのである。レリーズを押すと、レンズ全部の木製のフタがぱかっと開くのである。撮影するのに、10秒くらいかかっていたので、おそろしく感度が低いフィルム(!?)である。当時は、これが普通なんだろうけど。絞りなんていう機構は、ないんだろうなあ。おそらく。

 それから、暗室であるが、荷馬車の中を暗室として使用しているのだが、遮光性は著しく低そうだ。超低感度なので、これでもいいんだろうなあ。それから、薬液を満たしたバットが二つしかなかったので、現像液と定着液で、停止はしてないみたいだ。まさか、アルカリ定着液ではあるまい。そして、おそらく密着プリントオンリーであると思われる。定着後は、荷馬車に搭載している樽の中に大量の水が入っているみたいで、ちゃんと印画紙を水洗していた。

 しかし、シャッターがレンズの前にあるっていうのは、ある意味衝撃だったなあ。

ブレッソンの映画

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映画「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」を、見に行って来た。どう考えても岐阜では客の入りが期待できないような映画をよくも上映するなあと思って見に行ったが、観客は僕も含めて6人もいた。ちなみに、岐阜では2日間だけの上映で、しかもレイトショーのみである。

 僕はとくにHCBの写真が好きというわけではないのだが(もちろん好きな写真も多くあるけど)、写真集も持っているし、京都へ写真展も見に行った事があるし、写真家のドキュメンタリー映画は珍しいので、見に行ったという次第である。

 彼は、暗室作業が嫌いだったみたいで、撮影専門家である。その代わり、腕の良いプリンターがいたみたいだ。ブレッソンのような写真家のプリンターは、さぞかし大変だったであろうと僕は予想する。

 HCBは画家を目指していたせいか、写真は構図がとても大切だと言っていた。構図が完璧であれば、トリミングの必要はないとも言っていた。これは、ものすごく当たり前の事だと思う。しかし、自分の場合は、なかなか完璧に撮影する事は出来ないので、トリミングによって構図を補うわけである。

 ネットに転がっている写真のいったいどれほどが、構図に気を使っているのだろうか。ぱっと構えて、気になったから撮っただけという写真がいかに多いことか。

20060909.jpg

 C330fが手に入ったので、それにまつわる写真家の本を読んでみようと思いました。ダイアン・アーバスです。この彼女の伝記は絶版になっていて、定価が2500円なのに、古本で3倍くらいの値を付けています。以前から、安くなったら買おうと思ってはいましたが、全然安くならないしこの価格ではとても買う気にはなれない。

 こんな本、図書館にあるはずはないと思っていましたが、ネットで蔵書検索をしたらありました。そんなわけで、読み始めましたがかなり読み応えがありますし、読んでいて楽しい本ではないですねえ。

 米国では、ニコールキッドマンが、ダイアンアーバスを演じた映画が上映されているようです。もしかしたら、日本でも、何らかの本が出版されたりするのかもしれません。


斑鳩

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 昨日、C330fを、奈良の斑鳩で一日持ち歩いてみた。法隆寺に行くのなんて、小学校の修学旅行以来である。それにしても、拝観料が1000円とは高い(夢殿も入った料金だけど)。法隆寺は、電車でのアクセスが大変悪く、嫌でも長距離を歩くことになってしまったため、C330fを持ち歩くと、どうなるかという良い検証が出来た。

 結論から言えば、重い!!

 首にストラップをかけて、歩いている分にはそれほど問題はないのだが、カバンに入れて歩いていると重く感じるのだ。こういった重量のあるものを運ぶ際には、ショルダータイプのバッグはだめである。いつも持ち歩いているカバンは、リュックタイプにもなるので、試しに背負ってみたら、重量の感じ方は全然違った。体の中心に近いところに重心が来るようにすればいいのである。ショルダーバッグは、長距離歩くのや、重い荷物を運ぶのには、不向きだなあ。

 それで、C330fの感想だけど、とにかく重いのは、ともかくとして、それ故にかなりぶれにくそうである。80mmF2.8のレンズで1/15くらいまでは、いけそうである。どこが限界かは、近いうちに試してみるけど、案外1/8でも大丈夫かも。

 ウエストレベルファインダーは、最初から分かってることだけど、とにかく不便なファインダーだ。アングルはほとんど固定と言ってもいい。水平を取るのは、言われているほど苦労はしなかった。ちょっとだけ時間をかけてフレーミングすれば良さそうだ。結局、昨日は7枚しか撮らなかったなあ。

マミヤC330fゲット

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中古カメラとの出会いというのは、人との出会いにとても似ていると思う。そのカメラの存在について、ずっと以前から知っていたが、魅力に気づかずに、通り過ぎてしまっていた。そういったカメラが、ある日を境にして、急に輝きを増すことがある。

 今回、買ったカメラもそんなカメラ達のうちの一台だ。そのカメラとは、レンズ交換可能な唯一の二眼レフであるマミヤCシリーズの「C330f」。

 過去に、ヤシカマット124G、フレクサレット6を買ったことがある。ヤシカマット124Gは、僕にとって初めての中判カメラであった。スクエアーフォーマットと、TLRという、それまで使っていた35mmのSLRやRFとは、まるで違う操作性や構図作りの難しさに、まったく使いこなせず、嫌になって防湿庫の肥やしになり、やがて売ってしまった。

 その後、スクエアーフォーマットのニューマミヤ6を手に入れ、このフォーマットのおもしろさを知り、もはや手放せないものになった。ニューマミヤ6のおかげで、このフォーマットを何とか使いこなすコツを身に着けたのである。そうなると、スクエアーフォーマットの代表型とも言えるTLRに俄然、興味が湧いてくる。そして、昨年、フレクサレット6型を買ったのであるが、購入直後に、自分で分解清掃を試みたところ、巻き上げ部分を壊してしまった。どうも、TLRとは、縁がない。

 その後、大判写真を始めたため、気持ちはそちらへ傾いてしまい、しばらくの間、TLRは頭から離れてしまった。大判写真の導入も落ち着きだした頃、愛用しているニューマミヤ6が、巻き上げのトラブルを抱え、修理中になってしまい、スクエアーフォーマットのTLRへの物欲に余計に拍車がかかるというものである。

 ローライフレックスも研究してみたが、やはりブランド品であるため、かなり高額になってしまう。セレン式露出計の内蔵されたものは、ちゃんと正確に動くものって少ないと思うし、ちゃんと動くものは高価だろうから敬遠してしまう。しかし、露出計が内蔵してないタイプになるとかなり古くなり、あまりきれいな品数は少なく、あったとしても高額である。それに、古いTLRはファインダーが暗い。これは困る。長期間付き合うカメラとしては、不都合だ。
 
 ニューマミヤ6は、75mmと50mmを使っているが、使用頻度は、半々くらいである。しかし、通常のTLRは、レンズ交換が出来ないので、75mmあるいは80mmのみを使うことになる。どうしても広角や望遠が使いたければ、とても高価なワイドローライやテレローライを買い、2台体制で撮影に挑むことになる。しかし、そんな高価な買い物は出来ないし、TLRを常に二台持ち歩くというのは、主義に反する。(ってどんな主義なんだか。)

 そこで、今まで気にも留めなかった、というよりもむしろ、「何だこの変なカメラは!」とも思っていた、マミヤCシリーズが、輝いて見えたのである。そこで、いろいろと調べてみると、このマミヤCシリーズには、いろいろなモデルがあるけど、セルフコッキングが付いたC330が、最も僕の要求に答えそうである。C330には、製造年の古い順に、C330、C330F、C330Sがある。C330Sが、一番新しいが、中古市場ではあまり見かけないし、あっても高いと思う。

 この夏、7月下旬から8月下旬にかけて、大阪へ行く機会が何度もあった。7月下旬に梅田の八百富で何台かのC330に混じって、一台だけC330Fがあるのを発見した。手にとって見たわけではないが、わりときれいで、105mm付きで57000円くらいの値が付いていた。その後、何度か大阪へ行く度に、まだ、売れていないことを確認していた。

 8月の下旬、仕事中にどうしても欲しくなり午後から電車に飛び乗り、買いに行ったが、その時にはもう売れてしまっていた。まあ、そんなもんであろう。C330は、数台、相変わらず陳列されていたが、ピントフードの形状が、ボックス型になり、ファインダーが見やすいであろうと思われる「F」型が、どうしても欲しかった。なぜなら、それまでの経験から、直接ファインダーに光がかかるような明るい場所だと、ピントや構図の確認がとてもしにくいからである。

 その日、どうしても欲しくなり、中古カメラ屋を10件ほど周ったが、ついに発見できないままであった。最後の店で、かなり価格の安いC330に、クラッと来て、棚から手にとって見せてもらった。やはり安いだけあって、あちこち損傷が激しかったので、かなり物欲は高まっていたのだが、我慢して買うのをやめにした。しかし、実際に手にとってみて、どのような操作性で、どのくらいの重さかが分かったのは収穫であった。

 その数日後、オークションで、かなり安価で入手することが出来た。このC330F、僕との相性はどうだろうか?長い年月を一緒に過ごす友になりうるのか?それとも、短期間を一緒に過ごすだけの、付き合いになるのだろうか?

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